大学のレポート・卒論・論文の提出前のチェックリスト

卒論のチェックリスト 卒論・論文の書き方
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大学のレポート・卒論・論文はもちろん中身も重要ですが、それ以上に見かけというか形式もとても重要です。

細かいことがきちんとできている論文は、それに比例して内容もいいことが多いです。

ここでは、レポート・卒論・論文がある程度出来上がった段階でチェックすべきことを選んで、チェックリストを作成しました。

自己紹介

大学の教員で卒論指導を毎年行っています。国際誌・学会誌・大学紀要などに100本以上の論文を発表してきました。Language Learning, The Modern Language Journal, Systemなどの国際誌の査読者もやっています。

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大学のレポート・卒論・論文のチェックリスト

大学のレポート・卒論・論文を提出前に気を付けるべきチェックリストについて解説します。

上記の動画も参考でも解説しました。

文章のそれぞれにエビデンス(証拠)が入っているかを確認

文章のそれぞれにエビデンス(証拠)が入っているかを確認。
入っていないのは、筆者の意見。

→自分の考え・意見なのか、どこからか引用したものなのかを区別する。

まず何よりも考えていただきたいのは文章のそれぞれにエビデンスつまり証拠が入っているかというのを必ず確認してください。

すなわち、どこから引用してきたかということが書いてあるかということです。

引用が入っていないものは筆者・すなわち書いてる人の意見です。

つまり、自分の考えや意見なのか、あるいはどこからか引用したものなのかをしっかりと区別する必要があります。

外国人観光客が増えている(何を根拠に?あなたが感じたことですか?)このように一つ一つ確認してください。

ときどき引用文献がほとんどないレポートを提出してくる学生がいますが、そのレポートの内容がすべてあなたの考えでしたら、それはレポートではなく、小論文や作文になります。

何かを参考にしたのに引用文献を書かないなら、それは剽窃とみなされ、犯罪になります。

それぐらい引用文献は重要です。

高校までに書いていた作文・小論文と大学で書くレポート・論文がどのように異なるのかよくわからない方は作文・小論文・レポート・卒論の違いを一読ください。

動画もありますので参考にしてください。

以下は資料やデータを調べるのに便利なサイトです。

国立国会図書館のホームページには、資料の調べ方がものすごく細かく解説してあります。

統計を調べるにはこちらが便利です。

論文を調べるのはCiNii(サイニィ)で調べましょう。

文献・資料の探し方の詳細は以下のリンクを参考にしてください。

一文は短めに

一文は短めに(一文には1つのことだけ盛り込む)
⇒ “2つの文に分けられないか? ”を常に考える。

長い文章を見たらま必ず2つの部分に分けられないかを常に考えてみてください。

人の書いた文書をまああれこれ言うのも失礼なので、自分の書いた文章を持って来ました。

これはある報告書に出したんですが、こちらが1文です。

非常に長いですね。

TripAdvisor上の土佐清水ジオパークにある観光地,ホテル,レストランの英語のレビューのデータベースを作成し,テキストマイニングソフトにより分析する予定であったが,実際に入力をはじめるとレストランに関してはほとんど英語のレビューがなく,また,観光地に関してもそれぞれ1~5つぐらいであり,テキストマイニングによる分析はできなかった。

よく見てみるとこれは3つの部分に分けることができます。

TripAdvisor上の土佐清水ジオパークにある観光地,ホテル,レストランの英語のレビューのデータベースを作成し,テキストマイニングソフトにより分析する予定であった。

実際に入力をはじめるとレストランに関してはほとんど英語のレビューがなかった。

また,観光地に関してもそれぞれ1~5つぐらいであり,テキストマイニングによる分析はできなかった。

意味が変わるところで段落を変える

意味が変わるところで段落を変える。
常にこの段落では何がいいたいのかを考える。

だらだら書いてある文章はとにかく読みにくいです。

意味が変わるところで段落を変えるということです。

常にこの段落で何が言いたいのかを考えながら書いていきます。

それで意味が変わるところで段落を変えていきましょう。

段落が変わったら1文字下げる

この前指導をしていてびっくりしたのですが、段落が変わったら1文字下げるということを知らない学生がいました。

段落が変わったら1文字下げます。

全然下げてないというのは問題外ですが、半角しか下げない、半角と全学が入り混じって下げているのも見苦しいです。

専門用語ははじめて出てくるときに定義をする

専門用語が論文中で最初に出てくるときは、以下のように必ず定義づけをしてください。

ニーズ分析とはシラバスやカリキュラムを開発する際に言語のニーズについての情報を体系的に集めることであり(Brown, 1994),ニーズ分析には①ディスコース・コミュニティーのニーズ,②教員・大学のニーズ,③学習者のニーズの3つの領域があるといわれている(深山,2000)

法学系の学生を対象にした英語学習に対するニーズ調査より

ここでは「ニーズ分析」とはどういうものなのか、Brown(1994) や深山(2000)をもとに定義づけ、つまり解説しています。

このように必ず最初に「この言葉はこういう意味だよ」と他の論文を引用しながら定義づけしましょう。

英語の省略語が最初に出てくる場合はスペルアウトする

英語の省略語が最初に出てくる場合は、かならずスペルアウトしてください。

なお、2回目以降は省略語をそのまま使ってください。

ESP(English for Specific Purposes)では、英語を使用するコンテクスト(学問分野や職業)にあわせて専門的な語彙や言い回しなどの言語の習得を目的とした教授法の開発が行われ、広く実践が行われてきている。近年では言語習得のみを目的としたESPにおいて、

下記のように、英語でスペルアウトした後に日本語を入れる場合もあります。

近年では言語習得のみを目的としたESPにおいて、内容と言語の両方の習得を目的とするCLIL(Content and Language Integrated Learning, 内容言語統合型学習)の導入についての研究、実践もある。CLILの導入によって、専門用語を習得することにとどまらず、内容の理解、それに伴う深い思考の活動、協同学習を通して、特定のコンテクストで使用される言語を身につけることが期待される

体言止めなど下手な文章の修飾は必要ない

小説ではないので、体言止めなど下手な文章の修飾は必要ない。
 一番おいしかったのはカレー。

四字熟語やことわざは原則使わない。

卒論やレポートというのは小説ではないので、体言止めなど下手な文章の修飾は必要ありません。

四文字熟語とかことわざもこういったのも原則使いません。

「私」は極力使わない

小論文や作文では自分の考えといった主観的な考えを書くものですので、「私」ということばをたくさん使ったと思いますが、レポートや論文ではほとんど使いません。

「本稿では」「本論文では」「本レポートでは」といういうようにします。

同じ語尾の繰り返しを避ける

同じ語尾の繰り返しを避けます。

よく論文を書いていると明らかになった。明らかになった。と同じようなのがずっと続いていることがあります。

これはあまりにも醜いので、ちょっと工夫して明らかになったの次は分かったとか次は報告されたとか証明されたとか言うように最後の語尾を繰り返しを避けるような工夫をしてください。

  • 明らかになった。
  • わかった。
  • 報告された。
  • 証明された。

青いリンクを消す・文字の大きさをそろえる

よく直接引用したところが、ネット上からコピーしてきてそれをそのまま貼り付けているので、そのまま青いリンクがついたままだしてくる学生がいます。

また、フォントが他と異なることもあります。それでは本当にありありと「僕はコピペしましたよ」と示しているようなものです。

別に直接引用してもいいんです。正しくすれば。

貼り付けるときに、かならずテキストを選んでコピーしてください。

正しいコピペの仕方を学ぶために正しいコピペ(引用)の仕方をぜひ一読してください。

動画はこちら。

ひらがなに開く・白くする

漢字ばかりの論文は読みにくいです。

接続詞、副詞、助動詞、代名詞、連体詞はひらがなを用いてください。

×即ち → ○すなわち
×従って → ○したがって   
×及び → ○および
×又 → ○また
×様に → ○ように
×事 → ○こと
×益々→ ○ますます
×更に → ○さらに

図や表に数字と題名がきちんと書かれている

図や表は以下のように順番に番号と表の題名をついていますか。

表は通し番号と題名は上に、図は下に通し番号と題名をつけてください。

なお、表や図の論文中での詳しい書き方は表や図の論文中での書き方を参考にしてください。

本文で触れない図表は削除する

本文で触れない図表は削除してください。

ということは、図表はすべて本文で以下のように必ず記載してください。

・・・・・・(図3を参照)
表2によれば、・

また、図表の出典元は読者が辿れるようにページやURLを明記してください。

なお、表や図の論文中での詳しい書き方は表や図の論文中での書き方を参考にしてください。

語句は統一

小学1年生 小学校1年生 小1 1年生

ただし、直接引用の場合は別。→原文のまま。 u

小学1年生・・・小学1年生

ただし、直接引用の場合は別。→原文のまま。

「小学校1年生は・・・」

西暦表記にするか、元号表記にするかどちらかに統一

1992年・・・・

「平成5年・・・」

など、論文中でどちらかに統一しましょう。

混在はさせないように。

ただし、論文全体は西暦に統一していたが、直接引用で「平成5年」などと使っているときは、直接引用ではそのまま「平成5年」を使ってください。

直接引用について詳細はこちら>>>正しいコピペ(引用)の仕方

数字は基本的に半角にする

学生の論文をチェックしていると、数字が全角だったり、半角だったりとごちゃまぜの論文が多いです。

数字は半角に統一しましょう。

先生によっては9まで全角でそれ以上は半角の場合もありますので、そこは先生に従ってください。

読点(、)・カンマ(,)を混在させない

、と,が混在しない。読点(、)・カンマ(,)
英文が混在する場合は
,に統一したほうが便利

大型のホテルでは台湾からのインターンシップや英語ができる人材がいるということでその方がいるときは外国人の対応に困らないがいないときにはかなり困っているということであった。

結論(おわりに)は1~2段落で納める

結論(おわりに)は1~2段落で納めてください。

また、結論(おわりに)には本文に書いていないことをいきなりここで書かないようにしましょう。

結論の詳細は考察・結論(おわりに)の書き方|実例を挙げながら解説!を参考に。

序論と結論だけ読んで、論旨が通っているか

序論と結論だけ読んで、論旨が通っているかを確認してください。

特に、序論で定義した疑問に、結論で答えているかをしっかり確認しましょう。

序論と結論の詳細は考察・結論(おわりに)の書き方|実例を挙げながら解説!を参考に。

プリントアウトして必ず読み直す

最低でも書き終わってからプリントアウトして5回ぐらい繰り返してください。

最初のうちは論旨がおかしいところが見つかり、最後のほうは誤字脱字のみの修正になると思います。

まとめ

卒論・論文の提出前のチェックリストについてお話してきました。

 パッとみて、形式がバラバラだとちゃんと書いていないという印象を先生に与えてしまいます。

ぜひ、中身同様、見た目にも細心の注意を払いましょう。

最後に、もっと詳しく卒論の書き方を学びたい方のためにいくつか本をご紹介します。

文系の卒論の書き方になりますが、わかりやすいさ、読みやすさではこちらの本が一番です。

次におすすめなのが、こちらです。

「パソコンの使いこなし方」や「ゼミでの学び方」なんてのもあり、至れり尽くせりです。

両者とも大学の先生が書かれた本です。

ところで、これらの本(サイトやYouTubeも同様)の他に、大学の先生でない方が作られているものもありますが、多くの大学生を指導し、ご自分も何本も論文を書かれている先生が書かれているもののほうが、信ぴょう性がありますので、大学の先生が書かれたものを参考にされることをお勧めします。

レポート・卒論・論文の各パートの書き方

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