レポート・卒論・論文の「おわりに」「結論」の書き方【実例を挙げながら解説】

結論の書き方 卒論・論文の書き方

卒論のおわりにって何を書いたらいいんだろう。

そもそも結論とおわりに

って何?同じことなの?違うものなの?

 

考察と結論ってどう違うの?

と思いながら、レポート・卒論・論文を書いている大学生・大学院生の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

ここではそんな疑問に答えるために、結論の書き方を実例をあげながら説明していきます。

特に、論文の各パートがどのように結論に結びついているかを実例をあげながら解説していきます。

おわり・結論のポイントを簡単にまとめると以下のようになります。

  • 結論とおわりは同じこと
  • 考察を簡単に1~2段落にまとめる。
  • 本文に書いていないことをいきなりここで書かない。
  • 序論で定義した疑問に、結論で答えているか。
  • 序論と結論だけ読んで、論旨が通っているか。
  • 本研究の限界点を書くこともある。

こちらの動画でより詳しく解説しています。

動画を見ながら、ここを読むとより理解が深まります。

自己紹介

大学の教員で卒論指導を毎年行っています。国際誌・学会誌・大学紀要などに100本以上の論文を発表してきました。Language Learning, The Modern Language Journal, Systemなどの国際誌の査読者もやっています。

「おわりに」・「結論」の書き方のポイント

最初に論文の全体の構成をしっかりと理解し、その中での 「おわりに」・「結論」 の位置を理解しましょう。

以下の表を使いながら解説します。

全体の構成に関しては、一度卒論は「実験・調査系」か「文献研究」かで書き方が異なります!で確認してください。

「実験・調査系」か「文献研究」かで以下の構成が多少異なります。

  • 序論(問いをたてる・漠然)
  • 先行研究(その問いに関連して今までどんな研究がなされているのかを提示)
  • 本研究の目的(先行研究を踏まえて、序論の問いをより詳しく具体的に)
  • 方法(その目的を達成させるための方法を示す:他の論文から型を真似る
  • 結果(無味乾燥に書く・自分の感情は入れない:他の論文から型を真似る
  • 考察(本研究の目的であげた課題に答える)
  • 結論(考察を簡単に1~2段落にまとめる・序論の問いに答えていく) 

ポイント① 「おわりに」と「結論」 は同じこと

学生さんの中で、 「「おわりに」・「結論」 ってどう違うの」って思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

答えは、「おわりに」・「結論」 は同じことです。

分野により、人により異なるだけです。

「はじめに」としたら「おわりに」としたほうが、感じがいいですよね。

「序論」としたら「結論」としたほうが、一貫性がありますよね。

そんな感じで使い分けています。

ポイント② 「結論」には「考察」の内容を簡単に1~2段落にまとめる

「おわりに」・「結論」 には「考察を簡単に1~2段落にまとめる」ということで、まずは考察について解説します。

  • 序論(問いをたてる・漠然)
  • 考察(本研究の目的であげた課題に答える)

上記にもありますように、考察には最初に序論で書いた問い、すなわち本研究の目的などの答えを書いていきます。

ですので、 「おわりに」・「結論」 には序論で立てた問いに対する答え、すなわち考察を簡単に1~2段落にまとめましょう

考察についての詳細は考察の書き方!例文を挙げながら解説で学習ください。

ポイント③ 「序論」で定義した疑問に「結論」で答えているか

そのうえで、最も重要なことが 序論で定義した疑問に、結論で答えているかということです。

上記の表の以下の部分ですね。

  • 序論(問いをたてる・漠然)
  • 結論(考察を簡単に1~2段落にまとめる・序論の問いに答えていく) 

ここからは具体例をみていきましょう。

序論です。

ゆえに,本研究では今後日本がどのような英語のデジタル教科書を小学校の英語の授業に導入していくべきかなど日本の小学校の英語教育に示唆・指針を与えていくために,韓国の小学 3 年生対象の 3 冊の英語の検定教科書のデジタル教材(e 教科書)の内容分析を行っていく。 

結論です。

本研究では 韓国の小学 3 年生対象の 3 種類の英語の e 教科書のコンテクストと談話構造
を分析し,韓国の e 教科書からどのような示唆を得ることができるかを検討した結果,以下
のことが明らかになった。第一に,すべての e 教科書において,対話者の国籍および対話場
所に関して
不明なものがほとんどなく,文脈の特定化がなされているため,児童が学習しや
すい教材になっているといえる。よって,日本においても対話者の国籍・対話場所に関して
不明なものをなくし,児童が文脈の特定化が容易にできるような英語のデジタル教科書を作
成すべきであると示唆できるであろう
第二に,場面数,対話数,ターン数においては,ど
の e 教科書においても 1 場面に発生する対話数はおおむね 1 対話が多く,その対話は 2 ター
ンからなることが多く,さらに,1 対話内のターン数は一定の傾向にあり,対話のやり取り
が定型化されていることが明らかになった。現在日本で使用されている『Hi, friends! 1』で
はターン数・対話数など定型化されておらず(カレイラ他,2016),教師は使いづらく,児
童も学習しにくいと思われる。ゆえに,日本において今後英語のデジタル教科書を作成する
際には,場面数・対話数・ターン数などにも注意を払って作成する必要があるといえるであ
ろう。

序論の黄色い部分は結論の黄色い部分で答えています。

序論の青い部分は結論の青い部分で答えています。

なお、序論の書き方や問いについての詳細は序論(はじめに)の書き方のコツを教えます!を参考にしてください。

また、序論の動画もありますので、そちらで学習ください。

ポイント④ 「序論」と「結論」だけ読んで論旨が通っているか

これはポイント③とほぼ同じなのですが、大事なので序論と結論だけ読んでもう一度確認します。

序論と結論だけ読んでみましょう。

それで論旨が通っていますか。これ以外とできてないのです。

つまり、序論で定義した疑問に、結論で答えているかを確認しましょう。

結構、ここがずれている場合があるので、確認するために序論と結論だけを必ず読みましょう。

ポイント⑤ 本文に書いていないことをいきなりここで書かない

本文に書いていないこと、つまり今まで書いていないことををいきなりここで書かないようにしてください。

「おわりに」・「結論」 はあくまでもまとめです。

ポイント⑥ 本研究の限界点を書く

あとはよく本研究の限界点を書きます。

完璧な論文なんてありませんので、限界点は探せばいろいろできてきます。

これは異なる論文からの抜粋です。

最後に本研究の限界点について述べていく。第一に,本研究では日本人がオーナーである
と思われる日本資本の和食店と日本人以外がオーナーであると思われる海外資本の和食店の
2 つに分けて分析を行ったが,明らかに日本人がオーナーである和食店はいくつかあったが,
オーナーが外国人でも日本人シェフが取り仕切っている和食店やオーナーが日本人と他国の
ハーフであるなど判別が難しい和食店もあった。便宜上,日本資本,海外資本という言葉を
使ったが,それらが必ずしも正確に定義されているとはいえない。第二に,本研究はイギリ
スのロンドンに限って調査を行った。今後はアジア,アメリカなど他の地域での調査を行い,
それらの結果を比較することにより海外における和食点の現状をより正確に把握することが
できるであろう。

ちなみに、限界点は考察の最後に書く場合もあります。

「おわりに」・「結論」 の実例

論文の 「おわりに」・「結論」 の実例です。

おわりに
 本研究では小学 5 年生,小学 6 年生,および中学 1 年生の英語の授業に対する気持ち(英
語の授業で好きなこと・嫌いなこと・やる気が出るとき・やる気が出ないとき)がどのよう
に変化するか
を明らかにするために,自由記述式の質問紙調査を行い,テキストマイニング
により分析を行った。その結果,手をあげたり,先生に指名されたりして英語を話すことを
嫌がる生徒が小学 6 年生や中学 1 年生になると増えてくるが,本研究に参加した生徒の多く
は小学校から中学校にかけて継続して英語で話すことを楽しんでおり,特に,小学 5 年生は
ゲームを好み,小学 6 年生になるとグループ活動を,中学 1 年生になるとペアワークを楽し
んでいることが明らかになった。

 本研究は合計 799 名というかなり大人数の生徒の自由記述式の質的データをテキストマイ
ニングにより量的データに変換して分析を行った研究であり,日本の小・中学生の英語学習
に対する情意面を捉えるうえでも,研究の方法論としても英語教育の分野に貢献する研究で
あるといえる。しかし,いくつかの限界点がある。第一に,本研究は横断で小・中学生に調
査を行ったが,生徒の変化をより正確に捉えるためには,縦断で彼らがどのように変化する
かを調べる必要がある。第二に,2020 年度から小学校で英語が教科化され,評価なども始
まるため,小学生の段階で英語を読むこと,書くこと,さらに,テストに対する記述などが
もっと増え,本研究結果と大きく異なる可能性もある。よって,今後も継続して同様の調査
を行っていく必要があるであろう。

最初の段落で、序論の問いを明らかにし(ラインマーカー黄色)

その後で考察をまとめています(ラインマーカー青)

次の段落で、限界点を書いて、締めくくっています(赤いラインマーカー)

まとめ

ここでは、「おわりに」・「結論」の書き方について解説してきました。

どのように論文が各パートでつながって、 「おわりに」・「結論」 に結びついているかわかったでしょうか。

わからなくなったら、何度もここを見直してください。全体のつながりを理解して書くことにより、まとまりのある論旨の通った論文になります。

以下各パートの書き方です。

また、以下のリンクで卒論と就活の関係を解説しています。

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