卒論・論文・レポートの序論(はじめに)の書き方【5つのポイント】

序論の書き方 レポート・卒論・論文の書き方

そもそも「序論」と「はじめに」に

って何?同じことなの?違うものなの?

 

「はじめに」の分量はどれくらい書くべきなのかな?

卒論の「序論」にって何をどのように書いたらいいんだろう。

このような悩みをもった大学生の皆様が多いのではないでしょうか。

ここではこれらの疑問にお答えながら、序論(はじめに)の書き方を5つのポイントにわけて解説します。

  • 「序論」と「はじめに」は同じこと。
  • 分量はだいたいA4で3分の1から半分ぐらい。
  • 背景は一般から特定の逆三角形に書く。
  • 最後に問いとその解決の方法を書く。
  • はじめに(序論)で定義した問いにおわりに(結論)で答える。

さらに、ここでは社会系と教育系の序論の例文をあげながら具体的に解説します。

自己紹介
大学の教員で卒論指導を毎年行っています。国際誌・学会誌・大学紀要などに100本以上の論文を発表してきました。Language Learning, The Modern Language Journal, Systemなどの国際誌の査読者もやっています。

ポイント1 「序論」・「はじめに」は同じこと

「序論」と「はじめに」は同じことです。ちなみに、最後に書く「結論」と「おわりに」も同じことです。

分野により、人により異なるだけです。

ただし、はじめに」としたら「おわりに」、「序論」としたら「結論」としたほうが、一貫性があります。

では、「序論」と「はじめに」は何かというと、論文の最初の出だしの章で、その論文に関係する背景などを書きながら、なぜ、この論文を書くのかなどの理由を示していきます。

ポイント2 はじめに(序論)の分量は4で3分の1から半分ぐらい

はじめに(序論)の分量は特別決まっているわけではありませんが、だいたいA4で3分の1から半分ぐらいです。

時々1ページ近くなってしまうこともありますが、1ページを超えることはほとんどありません。

ポイント3 序論では研究の背景を逆三角形に書いていく


序論というのは逆三角形に書いていきます。

これはどういうことかといいますと、書き出しは自分が書くテーマの一般的に言われていることなどから書き出していきます。

一般的・範囲の広いところから徐々に特定的なことに範囲を狭めていくということです。

ポイント4 序論の最後に問いとその解決策を書く

レポート・卒論・論文というのは、「問い」が必要です。

つまり、「問い」を立ててその「問い」に答えていくのがレポートや卒論・論文です。

ポイント3で解説したように、逆三角形に書いていき、最終的に「問い」に落とし込んでいきます。

「問い」の例として以下のような例が考えられます。

  • 「~は良いか悪いか?」
  • 「~はどのようになっているか?」
  • 「~と~はどこがどのように違うのか?」
  • 「どうしてか?」


問いを立てて、その後に具体的な解決策(どういった問題に取り組み、何を明らかにして、どんな方法でなど)を簡潔に書きます。

つまり、問いに答えることが研究の目的ですので、解決策というのは言葉を変えれば本研究の目的になります。

本研究の目的は、先行研究の後、具体的な研究の説明に入る前にきちんと書くのですが、序論でも簡単に触れておきます。

ポイント4を簡単にまとめますと序論の最後で問いを立てて、それに対する解決策(どのように・どのような方法で、何を解決するのかなど)を簡潔に示して本研究の目的を簡単に示します。

なお、「問い」に関する詳しい説明は「作文・小論文・レポート・卒論の違いをわかりやすく説明!」をご覧ください。

ポイント5 序論で立てた問い(疑問)に結論で答える

序論と結論だけ読んでみましょう。それで論旨が取っているか見てください。つまり、序論で立てた問い(疑問)に、結論で答えているかを確認しましょう。

結構、ここがずれている場合があるので、確認するために序論と結論だけを読んでみてください。

そのため、序論は最初にざっくりと書いて道筋を立ててから、一番最後に結論と一緒に仕上げていきます。

つまり、実際に序論を書いて仕上げるのは、最後になります。

ただ、最初にどんな問いに答えていく論文なのかを決めないと、何をやっているのかわからなくなります。そのため、最初にざっくりと序論を書いておいて、最後に仕上げるというやり方をおすすめします。

これらに関するより詳しい解説はレポート・卒論・論文の「おわりに」「結論」の書き方【実例を挙げながら解説】を参考にしてください。

はじめに(序論)の実例をあげて解説 

ここからは具体的な序論の実例をあげながら解説します。

社会科学系の序論の例

「ロンドンの和食店の TripAdvisor レビュー分析」からの抜粋です。

2003 年に外国人旅行者の訪日促進を目的とした官民一体の事業であるビジット・ジャパ
ン・キャンペーン(VJC)が開始され,その結果外国人旅行者の数は 2008 年には約 835 万
人,その後東日本大震災の影響で一時的な減少は見られたが,2013 年には約 1,036 万人に達
し,初めて念願であった 1,000 万人を超し,2016 年には 2,000 万人を突破した。

日本全体の現状を話しています。

また,2013年 12 月 4 日,「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録され,さらに,政府は 2015 年 6 月 17 日に日本文化や食を広く海外に発信するため「クールジャパン戦略」を決定し,食,デザイン,地方・観光,コンテンツの 4 分野で民間主導の計画を政府が支援することを決めた。

クールジャパンについて説明しています。

特に,食の分野では,海外の主要都市で和食が楽しめる市場を整備し,現地で食材の入手や食事ができる環境をつくり,さらに,和食の正しいブランドイメージを世界に広げていくために東京に「食の大学院」を創設する計画を立てている。このように和食を海外に発信していくため,2020 年度の東京オリンピックに向けて様々な試みが始まっている。

食の分野にぐっと範囲が狭まっています。

一方,日本企業の「吉野家」「丸亀製麵」などの海外店舗が多く見られるアメリカ・アジ
アと比べて,ヨーロッパではおかしな和食,たとえば,マンゴ寿司やイチゴクリーム寿司な
ど,本来の和食とはかけ離れた和食のイメージが浸透している。これは日本人がほとんどか
かわっていない現地創業の和食店が多く普及しているためである。特に,「YO! Sushi」
「Itsu」「Wagamama」「Wasabi」などイギリスには現地創業の大型和食チェーン店が乱立しており,それらはヨーロッパの各国に進出し,マンゴ寿司などの独特な「和食」を広めている。このようにイギリスを中心としたヨーロッパでは本来の和食とはかけ離れた独特の和食が日本人以外の手でどんどん広がっている。

海外の日本食の話に狭まりました。

このような現状は日本において「タラコスパゲッティ」など日本独特のイタリア料理が作られたように,現地の食材と融合して独創的な和食が作られる可能性もあるが,度がすぎると和食のイメージダウンにもつながるであろう。よって,本研究ではヨーロッパでの和食店の実態を把握するため,多くの和食店があるイギリスのロンドンにおいて TripAdvisor 上の英語で書かれたレビューの分析を行うことにした。

最後に話題を絞って、問題を提起です。

ここでは疑問文になっていないですが、本研究ではヨーロッパでの和食店の実態を把握するため,→これを疑問文にするとヨーロッパでの和食店の実態はどのようになっているのかという疑問文になります。

最後にその問いに答える方法(TripAdvisor 上の英語で書かれたレビューの分析)を示しています

どうでしょうか。逆三角形に一般論から特定なものに、話題を狭めて、最後に問いにつなげていく感じわかったでしょうか。

教育系の序論の例

次に教育系の論文の序論を見ていきましょう。

「韓国の小学3年生対象の英語のe教科書の内容分析」からの抜粋です。

日本では 2011 年度に外国語活動が小学 5・6 年生に必修化(週 1 回)され,さらに,2020
年度には小学 5 年生からの英語の教科化が実施される。

一般的なこと・普通に知られていることから書き始めます。

しかし,小学校の学級担任の多くは英語や英語教育に精通していないため,教員研修や学級担任をサポートする教材開発が早急に必要である(カレイラ,2013, 2016)。それらの問題を解決するための一つの方策として,Information and Communication Technology (ICT)の導入が考えられる。また,日本では文部科学省が 2011 年に「教育の情報化ビジョン」を発表し,その中で 2020 年度までにデジタル教科書を小中学校へ導入するという目標を掲げている。

ここで先にあげた小学校英語の問題点を提示して、ICTに話題を狭めます。 

一方,韓国では 1997 年に小学校に英語教育を導入し,現在,小学 3 年生から週 2 回,小学 5 年生からは週 3 回の英語の授業が行われている。

韓国の一般的な英語教育に話題を変えました。

さらに,韓国はデジタル教科書などのICT の教育分野への導入は世界一進んでいるといわれている。英語においてはその準備段階として,検定教科書のデジタル教材,すなわち e 教科書が KERIS(韓国教育学術情報院)のホームページ上からダウンロードし,使用できるようになっている。

日本の場合と同様に、韓国のICTに話題を狭めます。

また、日本よりも韓国のほうが進んでいることを示します。

つまり、なぜ、韓国の研究を行うのか理由の裏付けをします。

ゆえに,本研究では今後日本がどのような英語のデジタル教科書を小学校の英語の授業に導入していくべきかなど日本の小学校の英語教育に示唆・指針を与えていくために,韓国の小学 3 年生対象の 3 冊の英語の検定教科書のデジタル教材(e 教科書)の内容分析を行っていく

本研究では今後日本がどのような英語のデジタル教科書を小学校の英語の授業に導入していくべきかがこの論文の問いになっています。

その問いに答えるための方法(韓国の小学 3 年生対象の 3 冊の英語の検定教科書のデジタル教材(e 教科書)の内容分析)を行っていくと示しています。

まとめ

はじめに(序論)について解説してきました。

簡単にまとめますと、

  • 「序論」と「はじめに」は同じこと。「結論」と「おわりに」も同じこと。ただし、「序論」をつかったら「結論」を「はじめに」を使ったら「おわりに」を使う。
  • 序論の分量は4で3分の1から半分ぐらいで簡潔にまとめる。
  • 序論では研究の背景を一般的なことから範囲を狭めて逆三角形に書いていく。
  • 序論の最後で問いを立てて、それに対する解決策を簡潔に示す。
  • 序論で立てた問いに結論で答える。ずれないように最後にしっかりと見直す。

はじめに(序論)は読者に(みなさんなら先生)に最初に読まれる部分で、ここがちゃんと書けていないと、ひどいレポート・卒論だなという印象を与えてしまいます。

こちらを何度も読んでしっかりと理解して、素晴らしい序論を書いてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました