卒論は実験・調査系・文献研究かで書き方が異なります!3つのパターンを解説

実験・調査系か文献研究かで書き方が異なります!3つのパターンを解説 レポート・卒論・論文の書き方

卒論は実験・調査系か文献研究かで書き方が大きく異なります。

卒論を書いている学生の中には、ネット上の情報を見て、先行研究や結果や考察などを書かないといけないということはわかるのだけれども、自分の卒論の場合、どれがどれに当たるのかよくわからないといったことがあるのではないでしょうか。

特に、文献研究中心の論文なのに、実験系・調査系の論文の書き方の本やブログを見て「自分の論文の場合、どれが本研究の方法や結果になるのだろう??」と考えて悩んでいる学生が時々います。

つまり、文献研究中心の論文の場合、下手に結果や考察に分ける必要がない、研究の方法を書かなくてもいい場合があります。

どれが自分のパターンに該当するかをしっかりと見極めてから構成を考えないと、ぐちゃぐちゃになってしまいますので、まずは、自分がどのパターンで書きたいのかをしっかり見極めましょう。

レポート・卒論・論文は大きくわけて3つに分けられます。

  • パターン1 序論・本論・結論型(文献研究中心)
  • パターン2 序論・先行研究・考察・結論型(文献研究でその文献・資料を比較する場合)
  • パターン3 序論・先行研究・本研究の目的・方法・結果・考察・結論型(実験・調査中心)

各部分の具体的な書き方は以下の部分を参考にしてください。

なお、分野や先生のお考えにより異なる場合もありますので、細かいことは指導教官の先生の指示に従ってください。

大学の教員で卒論指導を毎年行っています。国際誌・学会誌・大学紀要などに100本以上の論文を発表してきました。Language Learning, The Modern Language Journal, Systemなどの国際誌の査読者もやっています。

パターン1 序論・本論・結論型(文献研究中心)

レポートなど短いもので使います。

卒論でも分野によってはこのパターンになる場合があるかと思います

また、文献や資料などをまとめた論文などの場合もこのパターンが多いです。

序論

  • 問いを立てる

序論の具体例

1.はじめに
 韓国は日本以上の学歴社会であり,親の子どもに対する教育熱は高く,教育費の増大が社会
問題となっている。(省略)
 一方,日本においても,近年不景気が続き,子どもの教育に十分投資できない家庭も増えてお
り(小林,2008),教育格差ということが徐々に問題になりつつある。ゆえに教育格差を軽減す
るために様々な対策を講じている韓国の事例から日本は多くのことを学ぶことができると思われ
る。よって,本稿では最初に韓国の英語教育を所得による格差の観点から考察し,次に韓国政府
や自治体がそのような格差をなくすためにどのような対策を行ってきたのか
を論じていく。

黄色の部分が問いです。

本論

序論の問いに答えるために、文献や資料などをまとめていきます。

自分の考えを表すために、文献を示しながら、論じていくという感じです。

表やグラフなどをたくさん入れて論じています。

本論の具体例

2.韓国の現状
 2.1 韓国における教育格差
 2.2 韓国の英語教育における格差
3.英語教育における格差をなくすための対策
 3.1 英語村
 3.2 放課後学校
 3.3 EBS

自分がいいたいことを並べています。

結論

  • 考察を簡単に1~2段落にまとめる。
  • 本文に書いていないことをいきなりここで書かない。
  • 序論と結論だけ読んで、論旨が通っているか。
  • 序論で定義した疑問に、結論で答えているか。

結論の具体例

4.最後に
 本稿では韓国における教育格差,特に英語教育の格差について概観し,また,それらの格差
を軽減するために韓国がどのような対策をとってきたのかについて明らかにしてきた
。日本に
おいても,教育格差ということが徐々に問題になりつつあるため,教育格差を軽減するために
様々な対策を講じている韓国の事例から日本は多くのことを学ぶことができるであろう。つま
り,日本においても,英語だけの環境に浸れる英語村のような施設,EBSe のような放送媒体,
また,無料で利用できるオンライン英語多読プログラムや会話・作文を練習できるサイトなど,
子どもたちが親の収入に限らず,常に英語に触れられる環境作りを政府主導で行っていくべき
であろう。

序論に呼応させるため、本論をまとめながら日本が何を学べるかを最後に書いています。

引用:「韓国の英語教育における格差とその対策」

パターン2 序論・先行研究・考察・結論型(文献研究中心)

こちらはパターン1の変形です。

文献や資料などで何かを比較する場合によく行います。

つまりパターン1の本論を先行研究(資料を提示)と考察(自分の意見を述べる)というように分ける場合です。

序論

  • 問いを立てる

序論の具体例

 1.はじめに
 日本では 2008 年 3 月 28 日に小学校学習指導要領を改訂し、小学校5年生および6年生に外
国語活動が必修化されることが発表され、2009年からの移行措置を経て、2011 年から全国の
公立小学校で外国語活動が実施されるようになる。(省略)

ゆえに、本研究では英語教育において日本と韓国が小学校と中学校においてどのような一貫した方針を提示しているのかについて、韓国の 2007 年改訂教育課程と日本の学習指導要領を比較検討していき、日本が韓国の2007 年改訂教育課程からどのようなことを学ぶことができるのかを示唆していく

黄色い部分が問いで、この論文の目的です。

先行研究

先行研究のポイント

序論の問いに答えるために、文献や資料などをまとめていきます。

パターン1よりも少し無味乾燥な感じで文献を並べていきます。

先行研究の具体例

2.韓国における小学校への英語教育の導入までの経緯と現状
3.日本における小学校外国語活動の導入までの経緯と現状
4.2007 年改訂教育課程および学習指導要領
 4.1. 韓国の 2007 年改訂教育課程の目標
 4.2. 日本の学習指導要領
5.各学年の達成基準や指導内容
 5.1. 韓国の各学年の達成基準
5.2. 日本の小学校・中学校および各学年の達成基準および教授内容

ここでは、ひたすら無味乾燥に教育課程や学習指導要領の内容を並べているだけです。

考察

先行研究の結果を比較したりしながら、意見を述べていきます。

考察の実例

6.考察
 ここでは上述した韓国の 2007 年改訂教育課程と 2008 年に発表された日本の学習指導要領を比較し議論していく。

この論文では、韓国の教育課程と日本の学習指導要領の内容を比べて発見したことや感じたことを大きくわけて3つに分けて論じています。

結論

最後に問いに答えていきます。

結論の実例

7.まとめ
 日本は 2011 年から外国語活動が全国の公立小学校で実施されるようになるが、まだまだ実
験的な段階であるという印象は否めない。韓国の 2007 年改訂教育課程および日本の学習指
導要領を比較しただけでも、明らかに韓国の2007 年改訂教育課程のほうが体系的に提示さ
れており、どのような英語力を身につけてほしいのか具体的であり、目標とする学習者像も容
易に可視化できる。

黄色の部分で序論に答えています。

引用:「韓国の 2007 年改訂教育課程および日本の学習指導要領における英語教育に関する比較」

パターン3 序論・先行研究・本研究の目的・方法・結果・考察・結論型(実験・調査中心)

これが研究の王道のパターンです。

実験系・アンケートなどの調査に多いパターンです。

文献調査の論文なのに、このパターン3に無理やり当てはめて書こうとする学生が時々います。

実験・調査系でないなら、このパターンに当てはめるのが難しい場合もあります。

パターン3の方は考察・結論の書き方に関してこちらの動画を参考にしてください。

考察・結論(おわりに)の書き方【大学生のためのレポート・卒論・論文の書き方】

序論

本研究を行う理由や目的を述べる

序論の具体例

はじめに
大学英語教育における現在の問題点は,学生が英語教育の重要性は認めているが,その目的がはっきりしないため,漠然とした英語に対する必要性しか感じられなくなっている傾向があり(本岡・川崎, 1999),(省略)

英語教育を行っている保育園や英語で保育を行っている保育園も増加している。このようなことから保育士が英語を使う場が増えてきており,保育士養成課程においてもESP的アプローチを積極的に取り入れることが必要であると考え,本研究を実施した

これは疑問の形をとっていません。本研究を行うようになった背景や理由を述べた序論になっています。

先行研究

序論で述べた内容に関連した文献や資料などをまとめていき、本研究の目的につなげていきます。

先行研究の具体例

日本の大学教育におけるESP研究
日本の大学教育におけるニーズ分析

本研究の目的

本研究の目的は先行研究を踏まえて、序論で述べた目的をより詳しく具体的に

本研究の目的の具体例

本研究の目的
学生のニーズを踏まえたうえでどのような形でESP的要素を導入していくことができるのかを考察していくことが本研究の目的である

研究課題(仮説・リサーチクエスチョン)

  1. 保育士養成課程の学生はどのような英語学習のスタイルや好みを持っているの
    か。また,英語学習のスタイルや好みによってどのようなグループに分類するこ
    とができるのか。
  2. 保育士養成課程の学生はどのような英語の能力を身につけたいと思っているの
    か。また,それらはグループごとにどのように異なるのか。
  3. 保育士養成課程の学生はどのような英語の授業を受講したいと思っているの
    か。また,それらはグループごとにどのように異なるのか。
  4. 保育士養成課程の学生は子どもに関係するどのような英語の授業を受講したい
    と思っているのか。また,それらはグループごとにどのように異なるのか。

方法

方法はその目的を達成させるための方法を示します。

これは参考にする論文から型を真似てください。中身をそのままコピーするのではなく、型を真似るだけです。

方法の具体例

研究の方法
調査協力者
調査協力者は,東京の私立のA大学に属する保育士養成課程の1年生で,(省略)

質問紙
使用した質問紙は調査協力者について「英語学習に対するスタイルと好み」,「卒
業までに身に付けたい英語能力」,「受講したい英語の授業」,「子どもに関係する英
語の授業」に関する情報を得るために実施した。(省略)

調査時期
調査時期は2007年6月下旬から7月下旬である。(省略)

分析方法
上記の質問紙の各項目に対して保育士養成課程の学生がどのような考えを持っているのかをより明確にするため,4段階尺度形式を「あてはまる」「あてはまらない」の2段階に変換し, (省略)

結果

無味乾燥に書く・自分の感情は入れない:他の論文から型を真似る。

結果の実例

結果
保育士養成課程の学生の英語学習に対する態度や要望
最初に上記の4つの研究課題のうち,1.保育士養成課程の学生はどのような英語学習のスタイルや好みを持っているのか,2.どのような英語の能力を身につけたいと思っているのか,3.どのような英語の授業や4.子どもに関係する英語の授業を受講したいと思っているのかをχ2検定により検証した。(省略)

アンケートのデータを様々な統計手法を使って分析し、その結果を書いていきます。

考察

先行研究の結果を見比較したりしながら、意見を述べていきます。

考察の実例

本節では以上のデータ分析で得られた結果を、先に設定した研究課題に即しなが
らまとめる。

  1. 保育士養成課程の学生はどのような英語学習のスタイルや好みを持っているの
    か。また,英語学習のスタイルや好みによってどのようなグループに分類するこ
    とができるのか。
  2. 保育士養成課程の学生はどのような英語の能力を身につけたいと思っているの
    か。また,それらはグループごとにどのように異なるのか。
  3. 保育士養成課程の学生はどのような英語の授業を受講したいと思っているの
    か。また,それらはグループごとにどのように異なるのか。
  4. 保育士養成課程の学生は子どもに関係するどのような英語の授業を受講したい
    と思っているのか。また,それらはグループごとにどのように異なるのか。

上記の研究課題にそって順番に論じています。

結論

最後に問いに答えていきます。

結論の実例

結論

保育士養成課程におけるESPを取り入れたカリキュラムを開発するために,保育士養成課程の学生が英語教育に対してどのような要望や態度を持っているのかを調査した。その結果,本研究に参加した学生は日本語での授業を望んでおり,学生同士で英語を話すようなコミュニケーション活動をあまり好まない傾向にあった。(省略)

引用:「保育士養成課程の学生に対する英語学習に関する調査」

まとめ

自分の論文の型をしっかり理解しないで、卒論の書き方のブログなどを読んでいると大きな失敗をします。

自分の論文がこの3つのパターンなのかしっかり理解してから卒論を書きましょう。

  • パターン1 序論・本論・結論型(文献研究中心)
  • パターン2 序論・先行研究・考察・結論型(文献研究でその文献・資料を比較する場合)
  • パターン3 序論・先行研究・本研究の目的・方法・結果・考察・結論型(実験・調査中心)

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