英語系・英語教育の書きやすい卒論のテーマ【難易度も解説】

英語系・英語教育の卒論のテーマ 卒論のテーマ

英語系・英語教育の卒論のテーマをどうしようかと困っている方も多いのではないかと思います。

ただ、英語系・英語教育といっても、言語学・文学、第二言語習得(SLA)、英語教育、バイリンガル教育、言語政策と様々で、それらが混ざった研究もあり、なかなか区別が難しいのです。

はたまた、英語学習に対する動機づけなんていったらほとんど心理学にもなります。

英語系・英語教育というのは、いろいろな分野が雑多に入っていて、先生の分野をしっかり理解しないと大変なことになります。

そこでここでは、英語系の中でも英語教育を中心にその周辺の関連した分野も混ぜた英語系・英語教育の面白く書きやすい卒論テーマ・難易度について以下の6つにわけて解説します。

  • 質問紙調査(ほとんど心理学)
  • 実験系(ほとんど心理学)
  • 語彙・コーパス研究 (言語学・文学にも関係)
  • 実践研究・報告(子ども・保育・教育系の学生さんにおすすめ)
  • 英語教育(特に、小学校)の文献研究(子ども・教育系の学生さんにおすすめ)
  • 言語政策・バイリンガル教育の文献研究(社会・経済系の学生さんにおすすめ)

なお、卒論のテーマの選び方に関してはこちらも参考にしてください。

自己紹介
大学の教員で卒論指導を毎年行っています。国際誌・学会誌・大学紀要などに100本以上の論文を発表してきました。Language Learning, The Modern Language Journal, Systemなどの国際誌の査読者もやっています。

最初に先生の専門をしっかりと把握する

まずは、先生の専門をしっかりと把握しましょう。

私自身が英語教育が専門なので、その裏側の世界は詳しいのですが、英語の先生と一言でいっても、いろいろな分野(英語教育・文学・言語学など)の先生がいます。

また、英語教育の中でも、統計に詳しい先生についているか、質的な研究が得意な先生か、はたまた、実践研究を主としている先生、時には、言語政策について研究している先生など様々です。

先生の専門の分野もよくわからずに、たとえば、文学系の先生に、英語学習に対する動機づけなどの研究をやりたいですといっても、動機づけ研究は統計の知識が必要ですので指導がかなり難しくなります。

私自身は英語教育が専門ですが、英文学にはまったく疎いので、どんなに学生が英文学が好きでも、私は英文学に関する指導はできません。

まずは、先生の専門、英語といってもどこの分野の先生なのかをしっかり理解しましょう。

CiNiiで先生の名前を入れて検索してみてください。

どんな論文を今まで出版しているかがわかります。

CiNiiの使い方については文献の探し方【CiNii・Google Scholarの使い方】を参考にしてください。

英語・英語教育系の卒論のテーマ

次に、英語教育の卒論のテーマを大きく6つにわけて、各テーマ別に詳しく解説します。

無責任なことは書けないので、ここでは私が実際に論文として書いたことがあるテーマに絞って解説します。

この他にも英語というと英文学・英語学などがありますが、私自身がそのような論文を書いたことがないので、ここでは割愛させていただきます。

質問紙調査(ほとんど心理学)難易度高

統計

いわゆるアンケート調査の研究です。

SPSSRという統計ソフトができる先生が多く、統計処理が必要になります。

統計の知識が必須ですので、難易度は高いです。

「何人いました」とかいうだけの研究は、質問紙調査がメインの研究の場合はあまり好ましくありません。

先生の指示に従って統計処理をしっかり行う研究を行いましょう。

統計処理を学ぶにはこちらの心理データ解析 Basicがおすすめです。

最近ではテキストマイニングソフトを使った研究も多いです。

先生がテキストマイニングソフトをもし使っているようでしたら、面白い研究になります。

一つ例を出しておきます。

小学校から中学校にかけて英語の授業に対する情意がどのように変化するか : テキストマイニングによる分析

先生が統計に詳しくない・質問紙調査の論文がない場合は、指導がかなり難しくなりますので、たとえ、この手のテーマに興味を持ってもやめましょう。

なお、かなり心理学に近い研究になり、APAがバイブルになります。

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実験系(ほとんど心理学)難易度高

こちらも統計処理がメインとなりますので、先生がそのような論文を出されている場合、ぜひ、行ってみましょう。

いい研究ができると思います。

最低でもt検定の知識が必要です。

詳しくは心理データ解析 t検定をご覧ください。

実験系も統計の知識が必須ですので、難易度は高いです。

こちらも心理学にかなり近くなりますので、こちらもAPAがバイブルになります。

こちらもは先生が実験系の研究が得意で、論文をたくさん出されている場合は、非常に素晴らし卒論が書けますので、ぜひ挑戦してください。

そうでない場合は、統計の指導が難しくなりますので、先生の専門に沿ったテーマを探しましょう。

語彙・コーパス研究(言語学・文学にも関係)難易度高

英語教育・言語学・文学系どれにもまたがる分野です。

今は映画や文学のスクリプトがネット上で検索すればすぐに入手できるようになり、映画の語彙比較、文学の語彙比較など面白い研究ができるようになりました。

先生がWord SmithRやテキストマイニングなどを使うことになります。

海外ではこの分野はpythonも使っています。

コーパス研究で有名な先生は神戸大学の石川先生で、こちらのリンクにコーパスに関して参考になることが書いてあります。

こちらも統計の知識がかなり必要になり、難易度は高いです。

映画の語彙比較を行っている卒論をみたことがありますが、とても素晴らしい研究だなと感心しました。

先生がこの分野に詳しい方ならとっても面白い研究になります。

子ども・小学生を対象にした実践研究・報告 難易度低

子ども4人

子ども系・保育系の大学で英語関係の先生が卒論指導する場合って結構あると思います。

その場合におすすめのテーマです。

実際に小学生や子どもに英語を教えて、その実践を報告する研究です。

特に、小学校の英語教育に関する研究はものすごい勢いで伸びており、論文もたくさんあります。

統計処理の事前事後の結果を調べるt検定を行えればベストですが、ただ「やりました」という実践研究も結構ありますので、統計処理をしなくもOKですので、難易度は低くなります。

私が保育系の大学で教えていた時には、「人形劇を作って子どもに英語劇の実践報告」「エプロンシアターの作成と英語のストーリングの実践報告」といった卒論を書かせていました。

皆さん楽しみながら教材を作り、子どもに教えて、卒論を書いていました。

ただ、どんなに本人が子どもに教えたいといっても、先生がまったく子ども関係の研究に無縁・興味がない先生だと難しいと思います。

ここからはより詳しくテーマに分けて解説します。

CLILやTPRなどの教授法にフォーカスを当てた研究

CLILとかTPRなど何か一つの教授法を実践してその効果を調べてみましょう。

CLILとは、CLILとは他教科の内容と外国語の学習を組み合わせた教授法でContent and Language Integrated Learning(CLIL)のことで、日本では,「クリル」「内容言語統合型学習」と呼ばれています。

CLILはここ最近の英語教育のトレンドといってもいいかも知れません。

CLILについては小学校のCLIL(クリル・内容言語統合型学習)メリット・デメリットをご覧ください。

書籍は以下の2冊がおすすめです。

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TPR(Total Physical Response Approach:全身反応教授法)とは、教師が英語で指示を出し、生徒はその指示通りに全身で反応するという教授法で、簡単な命令文が多いので、教えやすいです。

TPRについてはTPR(全身反応教授法)とはを参考にしてください。

スポーツを英語で教えるとある意味TPRになります。

ヨガやストレッチを英語で教えるという研究を現在行っており、以下のような動画や教材を現在いろいろ作成中です。

体を動かしながら英語を学ぶことに興味のある方は、これらの動画や教材自由に使って、子どもたちに実践授業を行って、卒論を書いてみてください。

ヨガで英語学習再生リスト

子どもに対して行った研究ではないですが、参考にこちらの動画を使用した論文を1本紹介します。

「ヨガで英語学習」を取り入れた体育大学の英語の授業の実践報告

その他、折り紙で英語を学ぶのもTPRになります。

子どもたちに折り紙を英語で教える実践研究も面白いと思います。

ゲームやクイズなどの活動にフォーカスを置いた研究

何か1つのゲームに絞った研究も面白いです。

子どもを対象にした英語の授業でのゲームについては以下のリンクを参考にしてください。

英語教育(特に、小学校)の文献研究 難易度中低

SPSSやRとかわからない、統計なんて面倒くさいぞという方は、国内外の英語教育の実情を調べるという選択肢があります。

特に、日本では小学校の英語は教科になったばかりですので、小学校の英語教育に関する文献研究など教育系の学生さんにおすすめです。

具体的には、各国の小学校の英語教育について調べて、日本にどのような示唆を与えることができるか、あるいは、日本と比較する研究もできるでしょう。

一番のおすすめは書籍や先行研究が多いのがフィンランドの小学校の英語教育です。

以下の2冊がフィンランドの小学校の英語教育について学べる書籍です。

フィンランドの英語教育に関しては以下のリンクを参考にしてください。

その他、韓国も英語教育がすすんでおり、韓国の小学校の英語教育について興味のある方は、韓国の英語教育を教育格差の観点から解説を参考にしてください。

統計の知識は必要ありませんが、資料を集めてまとめるのは、テーマ・資料により難易度はかなり異なり、難しい場合も簡単な場合もありますので、難易度は中~低となります。

言語政策・バイリンガル教育に関する文献研究 難易度中低

world-englishes

統計なんて面倒くさいぞ、子どももあまり好きではないので実践なんていやだという方は各国の言語政策やバイリンガル教育を文献研究で調べる研究がおすすめです。

こちらは文献研究になりますので、先生の分野に限らず、どの分野の先生でも比較的容易に指導できますが、どれだけ使える資料を集められるかが成功の鍵になりますので、難易度は中~低です。

特に、社会・経済系などの学部の学生さんで英語系の先生が卒論指導になった場合におすすめのテーマです。

また、英語系の先生が観光・インバウンドなどにも広く対応できるようでしたら、そのような研究もおすすめです。

言語政策

アメリカの言語政策に関する卒論を私のゼミ生が以前書いたのですが、就活の面接で面接官にものすごく興味を持って聞いてもらえたと喜んでいました。

このようにある国の言語政策を調べるのも面白いです。

以下2冊が比較的最近出版された言語政策の書籍です。

これらの書籍から面白そうなテーマを見つけて、CiNiiで関連論文があるか調べてみましょう。

それなりに資料があるなら卒論は書けますが、ほとんどないと難しくなります。

World Englishes

また、World Englishesという言葉を聞いたことがありますでしょうか。

英語には様々な英語があるということです。

英語が共通語、公用語といわれている国、シンガポール、フィリピン、マルタなどかなり強い、なまりというかそれぞれ特有のアクセントがあります。

そんな世界の英語について研究してみるのも面白いでしょう。

以下の本が参考になります。

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なお、World Englishesに興味のある方、卒論のテーマにしたい方は、いろいろな国の先生と英語で話して、World Englishesを実際に体験しましょう。

今はオンライン英会話の無料体験などを利用すれば、World Englishesを実際に簡単に体験できる時代になりました。

詳しくは以下を参考にしてください。

おわりに

ここでは英語系・英語教育の面白く書きやすい卒論テーマの決め方ということでお話してきました。

まとめますと、英語系・英語教育の分野というのはかなり雑多な分野で、いろいろなものが入っており、先生の専門をよく理解せずにテーマを選ぶと大変なことになりますので、まずは先生が英語・英語教育系のどの分野の専門なのかを調べてください。

質問紙調査・実験系・語彙・コーパス研究は先生がその分野に詳しいのなら、ぜひ行ってみましょう。難易度は高いですが、やりがいがあります。

また、子ども系・保育系・教育系の学生さんは子どもを対象にした実践研究や各国の小学校の英語教育に関する研究がおすすめです。

その他、社会系や経済系などで英語の先生が卒論指導にあたる場合は、国内外の言語政策・バイリンガル教育について調べてみることをおすすめします。

また、英文科の学生さんは英語で論文を書かれる方もいらっしゃるかと思います。

序論(イントロダクション)の書き方は英語の論文・エッセイの序論(イントロダクション)の書き方!や以下の動画を参考にしてください。

ところで、卒論が書き終わり、2・3月に卒業旅行に行かれる方も多いかと思います。

英語・英語教育に興味のある学生さんは、この期間に卒業旅行として短期留学に行かれることをおすすめします。

1週間からの短期留学があり、英語のレッスン料込み(寮かホームステイ)でホテルに泊まるのとほとんど料金は変わりません。

就職したら、そんなに簡単に留学することもできませんので、英語力アップしたい・外国文化を体験したい方はぜひ短期留学に行きましょう。

詳しくはこちらを参考に。

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