社会学系のおすすめの卒論テーマと卒論テーマの決め方!SDGs・地方創生

社会学系の面白い卒論テーマ 卒論・論文のテーマ

卒論のテーマが決まらず困っている社会学系の学生さんも多いのではないでしょうか。

ここでは社会学系の学生さんが比較的書きやすく、面白く親しみやすい卒論テーマをご紹介します。

SDGs・地方創生・地域活性化・インバウンドです。

これらをいくつか掛け合わせても面白い論文になると思います。

特に、自分が興味をもった地域や住んでいる地域、あるいは、就職したい地域に関する SDGs・地方創生・地域活性化・インバウンド に関する研究を行い、就活を有利にすすめていきましょう。

たとえば、市役所などに就職したい学生さんなんかは、その自治体が行っているSDGsについて調べてみるのもいいかと思います。

就活は大学生活の集大成ですので、可能なら卒論も就活に役立つようなものを書くべきだと思います。

就活と卒論をどのように両立させ、就活の面接で卒論について答えるべきかは卒論と就活が両立できない?就活の面接での卒論に対する答え方を解説をご覧ください。

ここでは最初に、社会学のおすすめのテーマとしてSDGs・地域活性化・地方創生・インバウンドを紹介し、つぎに具体的にどのように卒論テーマを決めていくか、その方法について解説します。

自己紹介
大学の教員で卒論指導を毎年行っています。国際誌・学会誌・大学紀要などに100本以上の論文を発表してきました。Language Learning, The Modern Language Journal, Systemなどの国際誌の査読者もやっています。

社会学系のおすすめの卒論テーマ

社会学系の学生さんが比較的書きやすく、面白く親しみやすい卒論テーマとして以下の3つをご紹介します。

  • SDGs
  • 地域活性化・地方創生
  • インバウンド

SDGs・地方創生・地域活性化・インバウンドというのは現在進行形で進んでいる問題であり、アフターコロナの大きな課題でもあります。

そのため新しい研究分野であり、研究者も少なく、研究成果も少ないです。

ですので、今回皆さんがあらゆる資料をもとに調べてある地域に絞って考察した研究は、非常に価値のあるものになる可能性もあります。

SDGs(エスディージーズ)

SDGs

「SD・Gs(エスディージーズ)」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のことです。

2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた、国際社会共通の目標です。

17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。

以下が17のゴールです。

外務省のJapan SDGs Action Platformから引用しました。

  • [貧困]あらゆる場所あらゆる形態の貧困を終わらせる
  • [飢餓]飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養の改善を実現し、持続可能な農業を促進する
  • [保健]あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
  • [教育]すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する
  • [ジェンダー]ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを行う
  • [水・衛生]すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
  • [エネルギー]すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
  • [経済成長と雇用]包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
  • [インフラ、産業化、イノベーション]強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
  • [不平等]国内及び各国家間の不平等を是正する
  • [持続可能な都市]包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
  • [持続可能な消費と生産]持続可能な消費生産形態を確保する
  • [気候変動]気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
  • [海洋資源]持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
  • [陸上資源]陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
  • [平和]持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責 MDGs 任のある包摂的な制度を構築する
  • [実施手段]持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

こちらの動画が簡単にわかりやすくSDGsを解説しています。

SDGsの概要をもっと深く理解するのに以下の本を読んでみましょう。

2030年までに経済・社会・環境にまたがるSDGsの17の目標を達成するために、企業・自治体、そして個人はどう行動すべきかを解説しています。

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インプレス
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ビジネス・経営にSDGsをどのように組み込みこめるかというという観点から書かれた本です。

企業が利益を挙げることと、地球の課題を解決することは矛盾しないということを前提に、企業がSDGsに取り組む理由を様々な角度から解説しています。

なお、ハワイやスウェーデンなど海外のSDGsの取り組みは海外のSDGs(持続可能な観光)の取り組み事例を参考にしてください。

日本では熊本県の黒川温泉が素晴らしい持続可能な観光を推進しています。

日本での持続可能な観光の事例に興味のある方は黒川温泉【持続可能な観光SDGsの日本の事例】を一読ください。

また、オーバーツーリズム・持続観光な観光SDGsに関するおすすめの本では観光に関するSDGs(持続可能な観光)の本を紹介しています。

参考となるリンク・論文です。

地方創生・地域活性化

東北地方

地方創生とは2014年に第二次安倍内閣によって取り決められた地方活性化の政策です。

地方の人口減少に歯止めをかけ、地方活性化につなげるために、内閣に設けられた「まち・ひと・しごと創生本部」が主体となって、地方創生に向けてのビジョンや、段階ごとの目標を設定しています。

地方創生に興味がある方は、まずは内閣の地方創生ホームページで資料を集めましょう。

ここら辺の資料は卒論の序論や先行研究の最初に方に使うことができます。

特に、地方創生SDGs・「環境未来都市」構想はSDGsと絡めた地方創生について解説していますので、SDGsも絡めた地方創生についての卒論を書きたい方は必読です。

内閣府は地方創生SDGsの推進に当たり以下のような方針を出しています。( 地方創生SDGs・「環境未来都市」構想からの引用 )

  • 地方創生SDGsの達成に向け、優れたSDGsの取組を提案する地方自治体を「SDGs未来都市」として選定し、その中で特に優れた先導的な取組を「自治体SDGsモデル事業」として選定して支援し、成功事例の普及を促進。
  • 官民連携取組を促進するため、「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」により官民のマッチングを支援。
  • 地方創生SDGsに取り組む地域事業者等の見える化や、SDGsの達成に取り組む企業に一層の民間資金が充当されるよう、「地方創生SDGs金融」を推進し、地域での自律的好循環の形成を支援。

また、SDGsアクションプラン2021にも「SDGsを原動力とした地方創生、経済と環境の好循環の創出」ということで以下のように書かれています。

  • 2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」への挑戦も通じ、世界のグリーン産業を牽引し、経済と環境の好循環を作り出していくとともに、防災・減災、国土強靱化、質の高いインフラの推進を継続する。
  • 「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」実現に向けた海洋プラスチックごみ対策などを通じ、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
  • SDGs未来都市、地方創生SDGs官民連携プラットフォーム、地方創生SDGs金融等を通じ、SDGsを原動力とした地方創生を推進する。

ここからは地方創生に関する書籍を紹介します。

これらを読んで、自分と関係するところ、面白いと興味をもったものを掘り下げていきましょう。

「実践! 地方創生の地域経営―全国32のケースに学ぶボトムアップ型地域づくり」では全国の32の地方創生の事例を紹介しています。

以下はその一部です。

  • 燥野菜の小商いで地域まるごと防災備蓄庫に―澄川乾燥野菜推進協議会(札幌市澄川地区)
  • にぎわいと安全・安心空間を創出する―歌舞伎町タウン・マネージメント(東京都新宿区)
  • ボトムアップ型の合意形成が起こした奇跡―西成特区構想(大阪市西成区)
  • 100年先を見据えた再開発によるまちの再生―高松丸亀町商店街振興組合(香川県高松市)
  • 志民がつくるタウンドシップのまちづくり―副都心黒崎開発推進会議&タウンドシップスクール(北九州市黒崎地区)
  • 中学生がリードする防災のまちづくり―浦添市立森の子児童センター&まちづくりNPOうらそえ(沖縄県浦添市)


「ヘルスツーリズムによる地方創生」はヘルスツーリズムの観点から地方創生を論じた本です。

以下のような内容が書かれています。

  • ヘルスツーリズムの市場規模
  • ヘルスツーリズムの社会的背景 
  • 世界の自然療法
  • 日本におけるヘルスツーリズム(ホテルヴィレッジの「朝の森林浴散歩」)
  • 神戸ポートピアホテルの「朝の森林浴散歩」 
  • これからのヘルスツーリズム

ヘルスツーリズムの詳細は、NPO法人「日本ヘルスツーリズム振興機構」 をご覧ください。

特に、各地域が地方創生のためにどのようなヘルスツーリズムを行っているか、ヘルスツーリズム「推進地」の一覧でわかります。

自分が住んでいる地域、あるいは、就職したい地域などで興味を持ったヘルスツーリズムがありましたら、それをテーマにした卒論というのも面白いと思います。

以下の2つも地方創生など観光系の卒論を書くのに参考になります。

インバウンド

城崎温泉

インバウンドというのは一般的に「外国人が日本を訪れる」ことを指します。

インバウンドについて調べたい方は、まずは政府が出している資料を集めましょう。

インバウンドに限りませんが、政府の政策や方針に関することは、関係する省が出している資料を探すのが第一に行わなければならないことです。

インバウンドに関しては外務省のインバウンド観光促進に資料がありますので、それらを一通り読んでインバウンドの概観をつかみましょう。

ところで地方創生・地域活性化をインバウンドを利用して成功した地域がいくつかあります。

その代表的な成功例は兵庫県の城崎温泉です。

城崎温泉に実際に調査に行ったことがあり、そのときのことをインバウンドの成功事例】兵庫県の城崎温泉が成功した理由に簡単にまとめてあります。城崎温泉に興味のある方は一読ください。

また、以前に私のゼミの学生が城崎温泉に関する卒論を書きましたが、なかなかの力作でした。

かなり書きやすい題材だと思います。

その他インバウンドに関する情報のリンクです。

また、インバウンドには交通の問題は不可欠です。

地方の交通手段を解決する手段の一つとして現在注目されているのが、MaaS(Mobility as a Serviceの略で「マース」と発音)です。

MaaSはICTを活用してマイカー以外の全ての移動を一つのサービスとして捉え、シームレスにつなぐ新たな移動の概念です。

フィンランドで始まり、日本でも2020年より本格的に始まりました。

交通や新しいことが好きな方におすすめの卒論のテーマです。

詳しくはフィンランドのMaaSの事例・背景・効果を参考にしてください。

ここからはインバウンドに関する本をご紹介します。

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こちらは2020年11月出版ですので、コロナ直前に出版された書籍です。

インバウンド観光に特化したサイト「やまとごころ.jp」を運営している村山慶輔さんの著書です。

こちらはアマゾンのaudibleで無料体験で無料で聞けます。(無料体験終了後、退会しても聞き続けるこができます)

観光再生のaudible版を無料で入手

第1章に「観光再生に欠かせない「サステナブル」という視点」という章があり、SDGsと関係のあるインバウンドが学べます。

  • サステナブル・ツーリズム
  • リジェネラティブ・トラベル
  • 地域教育とシビックプライド
  • コミュニティ・ツーリズム
  • 観光貢献度の可視化
  • 量から質へ(発想の転換)
  • BCPの策定

こちらは、コロナ後の観光政策を京都とイタリアを例に提案しています。

以下のような内容が書いてあります。

  • コロナ直前、日本で起こっていたこと
  • ヨーロッパ観光産業の四つの発展段階
  • 団体旅行の誕生から個人旅行への転換
  • 地方の小都市の観光公害と交通まちづくり
  • 観光を生かしたイタリアの稼ぎ方―ホストとゲストの出会いが生んだスモールビジネス
  • 観光都市ではなく文化・芸術都市を目指す
  • アウトバウンドとインバウンドが生んだ四つのシフト
  • コロナ後に向けた地方都市の観光再生
  • 観光公害とコロナ・ショックから何を学ぶべきか

アフターコロナのインバウンドを考えるうえで参考になる書籍です。

インバウンド関係の書籍はアフターコロナに向けたインバウンドに関するおすすめの本で詳しく紹介しています。

そちらも参考にしてください。

社会学の卒論テーマの決め方

ここからは 社会学の卒論テーマの決め方 について解説します。

テーマを絞る

まず、間違っても「日本のSDGsについて」「日本のインバウンドについて」「日本の地方創生について」なんていう広いテーマで卒論は書かないようにしてください。

そんな広いテーマで書いたら、最終的に収拾がつかなくなるか、あるいはカルピスのように薄っぺらい卒論になってしまいます。

詳しくは「卒論・論文のテーマは狭く絞る」と以下の動画を参考にしてください。

テーマを掛け合わせる

ところで、テーマを絞るといっておきながら、矛盾するようなのですが、テーマを絞ったら、他のテーマと掛け合わせられないかも検討してみましょう。

たとえば、内閣の「環境未来都市」構想 というのはSDGsと地方創生が掛け合わせて構想されている地域です。

「環境未来都市」構想で自分の住んでいるところ・故郷・自分が興味のある地域・自分が就職したいところが環境未来都市として指定されているか見てみましょう。

このようにSDGs✖地方創生・地域活性化、それに場合によってはインバウンドなどと自由に掛け合わせることができます。

簡単にまとめますと、場所を絞って、その場所において可能ならテーマを掛け合わせてみるという感じになります。

もちろんSDGsならSDGsだけ、地方創生なら地方創生だけというのでもOKです。

資料・論文を探す

ある程度、場所やテーマが決定したら、上記で紹介した書籍や政府関係のリンクから自分が興味を持った章や面白いと思った部分に関連論文があるかをCiNii(論文検索サイト)で探しましょう。

論文がいくつかあったらそのテーマで卒論を書ける可能性があります。

CiNiiの使い方については卒論の文献の探し方と以下の動画を参考にしてください。

問いを設定する

関連した書籍や論文を見つけたら論文の骨子になる「問い」を設定しましょう。

「問い」の例として以下のような例が考えられます。

  • 「~は良いか悪いか?」
  • 「~と~はどこがどのように違うのか?」
  • 「どうしてか?」

その問いに答えることがその研究の研究の目的となります。

たとえば、上記で紹介しました城崎温泉ですと、「なぜ城崎温泉がインバウンドで成功したか」とい問いを立てることができ、その問いに答えていくのが卒論の目的になります。

つまり、城崎温泉が成功した理由をいくつかにわけて、事例をあげながら答えていけば、立派な卒論になります。

「問い」に関する詳しい解説は以下の2つのリンクを参考にしてください。

また、こちらの動画を参考にしてください。

問いが作れ、それに対する答えがさっといえるようでしたら、卒論として書けるでしょう。

その資料をどんどんまとめて書いていきましょう。

具体的な書き方に関しては、以下のリンクを参考にしてください。

こちらはその他の卒論のテーマに関する記事です。

テーマの選び方全般についての解説

分野別の卒論テーマを提案

おわりに 社会学の卒論は地元の研究で就活を有利に

ここでは、社会学におすすめのテーマということで、SDGs・地方創生・地域活性化・インバウンドに関する卒論テーマについて解説しました。

SDGs・地方創生地域活性化・インバウンドをテーマにした卒論は、自分の地元、あるいは就職したい地域のUターン就職や地元で就活を行う方に特におすすめのテーマです。

特に、 SDGs・地方創生・地域活性化・インバウンドというのはアフターコロナの大きな課題で、これからの日本社会を担っていく皆さんが解決していくべき課題だと思います。

皆さんが卒論のために、あらゆる資料をもとに調べた研究成果は、卒論だけでなく、就職後も役に立つ価値のあるものになる可能性もあります。

また、就活は大学生活の集大成ですので、可能なら卒論も就活に役立つようなものを書くべきでしょう。

そういった意味で、地方創生というのは、Uターン就職や地元に就職する方にはぴったりな卒論テーマです。

卒論と就活に関する詳細は以下を参考にしてください。

就活に関しては大学のキャリアセンターだけでなく、以下のような民間のものも上手に利用して乗り切りましょう。

就職先がなかなか決まらない学生が、以下のようなエージェントに登録してすんなりと決まるケースを何人も見てきました。

大学の就職センターはもちろんですが、無料ですのでこういったところも最大限に利用してください。

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