「観光系の卒論テーマってどんなのがあるかな」
「旅行が好きなので、旅行に関する卒論って書けないかな」
などと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、ここでは観光系の卒論テーマの決め方をご紹介します。
最初に、観光系のおすすめの卒論テーマとして以下のようなテーマをご紹介します。
- 地方創生・地域活性化
- インバウンド
- MaaS(マース)
- 持続可能な観光(SDGs)
- アニメツーリズム
- グリーンツーリズム・農泊
- スポーツツーリズム
- 観光地域づくり法人(DMO)
次に、どのように観光系の卒論テーマを決めていくかの具体的な手順をお話します。
- 自分の就職したい地域
- 自分の興味のある地域
- そのテーマに関する論文・資料が十分あるか
- テーマを狭めて問いと答えを考える
自己紹介
大学の教員で卒論指導を毎年行っています。国際誌・学会誌・大学紀要などに100本以上の論文を発表してきました。Language Learning, The Modern Language Journal, Systemなどの国際誌の査読者もやっています。
観光系のおすすめの卒論テーマ
最初に、観光系のおすすめのテーマを3つご紹介します。
地方創生・地域活性化
地方創生とは、2014年に第二次安倍内閣によって取り決められた地方活性化の政策です。
地方の人口減少に歯止めをかけ、地方活性化につなげることを目的とし、内閣に設けられた「まち・ひと・しごと創生本部」が主体となって、地方創生に向けてのビジョンや、段階ごとの目標を掲げています。
詳しくは内閣の地方創生ホームページをご覧ください。
特に、事例のご紹介で、自分の地元や自分が就職したい地域の事例があるか探してみましょう。
または、全体的に網羅した本を読んでそこから面白そうな話題を見つけて、その話題について掘り下げていくといいでしょう。
こちらの本は具体的な地方創生の成功事例が書いてあり、卒論のテーマを探すのにいい本です。
- 乾燥野菜の小商いで地域まるごと防災備蓄庫に―澄川乾燥野菜推進協議会(札幌市澄川地区)
- にぎわいと安全・安心空間を創出する―歌舞伎町タウン・マネージメント(東京都新宿区)
- 連携によりブランドを確立した秋田の蔵元チーム―NEXT5(秋田県)
- 自然へのこだわりが創出する地域デザイン―発酵の里こうざき(千葉県神崎町)
- 清酒を柱とした地域デザインの拠り所―新潟大学日本酒学(新潟県)
- “過疎”“僻地”“限界”の村が拓く小規模自治体の未来―北山村役場(和歌山県北山村)
- 集客イベントを契機とした「まちなか」の賑わい再生―とくしまマルシェ(徳島県徳島市)
こちらは世界の地方創生に関する書籍です。
こういった海外の研究はとても面白いですが、海外の研究は多くの場合日本語の資料だけでは不十分でその国の言語で書かれた資料も必要になるため、大学生にとってはかなりハードルが高くなるかと思います。
なお、 地方創生・地域活性化は SDGsとも関係ありますので、地方創生とSDGsを絡めた卒論も面白いと思います。
SDGsに関しては下記の「持続可能な観光(SDGS)」で詳しく解説しています。
インバウンド
インバウンドというのは一般的に「外国人が日本を訪れる」ことを指します。
インバウンドに関しては外務省のインバウンド観光促進を参考にしてください。
インバウンドは地方創生・地域活性化と深い関係あり、地方創生・地域活性化をインバウンドを中心に考えている地域もあります。
コロナで最も打撃を受けた観光業ですが、今後どのように復活させていくか、地方創生(地域活性化)とインバウンドを真剣に考えるときだと思います。
そろそろアフターコロナ後のインバウンドの在り方を真剣に考えていかなければならないときに来ています。
同時に、インバウンドに頼らない観光も考えていかなければならないかもしれません。
以下のリンクに2020年以上出版されたインバウンド関係の本のみをまとめました。
特に、おすすめは「インバウンド・ルネッサンス 日本再生」です。2021年11月に出版されたばかりで、早稲田大学の教授が執筆しています。
アフターコロナのインバウンドの在り方にとても参考になる本で、サステナブルなインバウンド・ビジネス戦略について解説しています。
以下はインバウンド関係の関連リンクです。
インバウンドの成功事例
インバウンドのキャッシュレス戦略
ハラルフード
インバウンド関係の論文
MaaS(マース)
また、新しいことが好きな学生さんは、 MaaS(Mobility as a Service:マース) を研究してみたらどうでしょうか。
MaaSは最新のテーマで、観光における交通システムに興味のある方にはおすすめです。
MaaSとは、地域住民や旅行者一人一人のトリップ単位での移動ニーズに対応して,バスや電車、タクシー、飛行機など、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービスです。
つまり、すべての交通手段による移動を一つのサービスに統合し、ルート検索から支払いまでをシームレスにつなぐサービスのことです。
MaaSという言葉の起源はフィンランド。同国にあるMaaS Global社のサンポ・ヒータネンCEOが提唱しています。
MaaSはこれからどんどん発展していく分野で社会貢献も多いに期待できると思います。
交通や新しいことが好きな方におすすめの卒論のテーマです。
MaaSについての詳細はフィンランドのMaaSの事例・背景・効果を参考にしてください。
MaaSに関しては数年前に鉄道事業者のインバウンドの研究を行ったときに、はじめて知りました。
教育や英語教育で注目されてきたフィンランドですが、こんなところでもすごいことをやっていたのかと感心しました。
なお、フィンランドの教育について興味のある方は「フィンランドおすすめ書籍10選」を、英語教育に関しての卒論テーマに関心のある方は「英語系・英語教育の卒論のテーマ」を参考にしてください。
国土交通省・経済産業省にMaaSに関する資料が掲載されていますので、まずはそちらを一読しましょう。
国土交通省は、MaaSに関して以下の3つの取り組みを行っています。
- 「大都市近郊型・地方都市型」
- 「地方郊外・過疎地型」
- 「観光地型」
観光系の卒論となると最後の「観光地型」のMaaSについての研究になるでしょう。
観光型MaaSの重要な点として以下の6つがあげられます。
- 観光資源の質を高めること。
- 関係者が共有できるゴールがあること。
- 多くの利用者に共感をもたらすこと。
- 環境資源と移動・宿泊をあわせて感動体験や思い出づくりまでをプロデュースすること。
- 環境資源・移動・宿泊など全コンテンツの質を向上させるPDCAサイクルを回していくこと。
- マーケティングやプラットフォームビジネスに長けた企業と協働でシステムを開発していく。
さらに、外国人観光客への配慮というのも重要です。
多くの観光地では、いまだに鉄道駅やバスの停留所の名称、表示、乗車方法などが地域住民を対象とした仕様になっており、外国人観光客にはわかりにくいという声がたくさん出ています。
MaaSの導入に際して同時に外国人観光客でも快適に使えるようなデザインやフォーマットにすることが大切でしょう。
同時に、観光客は短期利用がほとんどであるため、観光客のみをターゲットにするのではなく、地域住民にとっても有益になる内容を盛り込み、双方から見て有益なサービスにすることが重要だといえます。
上記の内容は以下の本を参考にしています。MaaSの入門書としておすすめです。
また、以下は 「観光地型」のMaaSが実証実験が行われた地域です。
- 伊豆市「Izuko」
- 東北地方「TOHOKU MaaS 」
- 志摩市「ぶらりすと」(志摩市ホームページ)
- 瀬戸内エリアで展開する観光型MaaS「setowa」
- 札幌型観光MaaS推進事業 (さっぽろイノベーションラボ)
- つちうらMaaS(観光客周遊促進・AIコミュニティバス)実証実験
- 大谷地域における観光型MaaSプロジェクト(Uスマート推進協議会)
- 三浦半島観光MaaS実証事業(京浜急行電鉄株式会社)
- 南足柄市とその周辺地域における生活・観光交通統合型MaaS実証実験(南足柄市MaaS推進協議会)
- 市民の生活の質と、観光客の移動満足度の向上を実現する「加賀MaaS」実証事業 (石川県加賀市)
- 大津市版MaaS
- 大原・八瀬、鞍馬・貴船など周縁部への観光客の分散化を目指したMaaS
- しおまち(潮待ち)観光 MaaS
- 愛媛県南予地域における観光MaaS
- 沖縄全域における観光型MaaS
こちらは伊豆市のMaaS戦記です。読み物として面白いです。
また、箱根が「箱根MaaS」を2021年10月1日から本格的に開始しました。
MaaSはまさしく現在進行形というよりもまだ、実証実験段階ですので、これからどんどん発展していく分野です。
卒論で研究して就活でいろいろ語れれば興味を持ってもらえるのではないかと思います。
以下はMaaSに関する卒論を書くうえで役に立つと思われるリンクです。
- 北海道MaaS推進研究会
- 観光地型MaaSの現状と展望(株式会社日本政策投資銀)
MaaSに関する論文・資料の一覧です。
- MaaS の現状と今後の展開に関する一考察
- 観光産業へ向けたMaaSの活用可能性
- シンガポールにおけるMobility-X社によるMaaSの取り組み
- MaaSの現状と動向
- 観光地型MaaSの現状と展望-新常態における”観光立国”関西の飛躍に向けて-
- 欧州の統合的公共交通システムと都市デザインー
- モビリティサービスの進化が街を変える —世界の事例から
- モビリティクラウドを活用したシームレスな移動サービスの動向・効果等に関する調査研究
- 国土交通省「都市と地方の新たなモビリティサービス懇談会中間とりまとめ」平成31年3月14日
MaaSに関係する海外での研究
イギリスのMaaS研究所
- MaaSLab(University College London)
持続可能な観光(SDGs)
もう一つおすすめな観光に関するテーマは 「持続可能な観光」です。
コロナ前では、有名な観光地では観光公害というのも問題になっておりましたので、アフターコロナは 「持続可能な観光」 をキーワードに復興を図っていくべきでしょう。
「持続可能な開発目標 (SDGs)」 は、世界の貧困削減および持続可能な開発の促進に向けて設定された目標です。
SDGsを達成する手段としての観光促進にも取り組んでいます。
それが 「持続可能な観光」ということになります。
「持続可能な観光」に関する資料は国土交通省が出した「日本版持続可能な観光ガイドライン」がなんといっても最も重要です。これをまず、しっかり読みましょう。
また、国連世界観光機関(UNWTO)が観光分野における主導的な国際機関として、経済成長、包摂的な発展、持続可能な開発の推進力として観光を促進し「持続可能な観光」を進めています。
UNWTOは世界全体の知見と観光政策の質を向上させるための先頭に立ち、観光部門に対する支援を行っています。
持続可能な観光では以下のことが求められます。( 国連世界観光機関(UNWTO) より引用)
- 主要な生態学的過程を維持し、自然遺産や生物多様性の保全を図りつつ、観光開発において鍵となる環境資源を最適な形で活用する。
- 訪問客を受け入れるコミュニティーの社会文化面での真正性を尊重し、コミュニティーの建築文化遺産や生きた文化遺産、さらには伝統的な価値観を守り、異文化理解や異文化に対する寛容性に資する。
- 訪問客を受け入れるコミュニティーが安定した雇用、収入獲得の機会、社会サービスを享受できるようにする等、全てのステークホルダーに公平な形で社会経済的な利益を分配し、貧困緩和に貢献しつつ、実行可能かつ長期的な経済運用を実施する。
SDGs・持続可能な観光に関する詳細は以下のリンクを参考にしてください。
持続可能な観光の事例
SDGsの卒論のテーマ
持続可能な観光に関する書籍一覧
上記のリストの中からおすすめの1冊をご紹介します。
持続可能な観光を考えるうえで参考になる書籍です。
海外のSDGsの事例も紹介しており、とても参考になります。
アニメツーリズム
アニメ好きな方におすすめなのが、アニメツーリズムの研究です。
アニメツーリズムとはアニメや漫画の作品の舞台となった土地や建物などを訪れる旅行、いわゆる「聖地巡礼」といわれるものです。
コロナ前には訪日外国人のうち80万人がアニメ聖地巡礼のために来日しており、アニメが日本の経済に与える影響は見逃せません。
以下のような場所がアニメツーリズムで有名なところです。
- 『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』埼玉県秩父市
- 『らき☆すた』埼玉県久喜市鷲宮
- 『君の名は。』岐阜県飛騨高山
- 『氷菓』岐阜県高山市
- 『ラブライブ!サンシャイン!!』静岡県沼津市
- 『この世界の片隅に』広島県広島市
- 『新世紀エヴァンゲリオン』神奈川県箱根町
- 『ガールズ&パンツァー』茨城県大洗町
- 『鬼滅の刃』栃木県足利市「あしかがフラワーパーク」・奈良県葛城市「葛木坐火雷神社」・福岡県太宰府市「宝満宮竈門神社」、福岡県八女市「黒木の大藤」
アニメが好きでない先生の場合はもしかしたらこのようなテーマは「だめ」って言われるかもしれませんが、以下のような本も出版されており、きちんと学問化されています。
興味のある方は、以下の3冊を読んでみましょう。
こちらは完全な学術書です。
私自身もこちらの本で勉強させていただきました。
以下のような内容が学べます。
- 社会にとっての観光の意味
- なぜ,アニメ聖地巡礼を研究するのか
- 情報社会の観光とメディア・コミュニケーション
- 観光学におけるメディア・旅行者・相互作用
- 現代的な観光現象を分析する複合的手法
- 観光の社会的潮流と旅行者の情報化
- アニメ聖地巡礼の誕生とその展開――文献,新聞・雑誌記事分析
- アニメ聖地巡礼の特徴――大河ドラマ観光との比較
- 舞台を「発見」する開拓者――ソーシャルメディアのコミュニティ調査
- 聖地巡礼者の全体像――アニメ聖地4か所での質問紙調査
- 『らき☆すた』と『けいおん!』――作品のコンテンツ史的位置づけ
- 『らき☆すた』聖地「鷲宮」における土師祭
- 『けいおん!』聖地「豊郷」における豊郷小学校旧校舎群
- 地域側から発信される観光情報の流通プロセス
- 発信・創造・表現する旅行者
- 他者との回路としての観光の可能性
アニメ聖地巡礼に代表される新しい観光行動、コンテンツツーリズムを幅広く学べるテキストで、以下のようなものが学べます。
- コンテンツツーリズムの研究可能性と課題
- コンテンツツーリズムの基礎
- コンテンツツーリズムの研究方法
- コンテンツツーリズムの現場
- コンテンツツーリズムの展開
アニメの聖地巡礼が地方にどんな経済効果をもたらしているのかについて論じています。
グリーンツーリズム・農泊
グリーングーリズム・農泊も上記で解説した「持続可能な観光」と関係していますので、これからもっと注目されると思われます。
グリーンツーリズムは「農山漁村地域において、自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動」(農林水産省)と定義されています。
平成15年に「オーライ!ニッポン会議」が発足し、都市と農山漁村の共生・対流という国民運動が推進され、「体験民宿」の全国的な開発がはじまりました。
平成20年度には文部科学省、総務省、農林水産省の3省連携による第一次産業への関心やその生活や文化などへの理解を深め、農林漁業者の所得向上を目的とした「子ども農山漁村交流プロジェクト」がはじまりました。
現在では海外からの教育旅行の受入先として評価されるようになり、日本の農村文化体験の場として教育的な側面で日本のグリーンツーリズムは発展してきました。
このようにかつてのリゾート開発中心の観光振興が見直されるとともに、そこにある自然や地域文化の尊重、人と人との交流を中心としたグリーンツーリズムへの注目されるようになりました。
一方、農泊は「農山漁村地域に宿泊し、滞在中に豊かな地域資源を活用した食事や体験等を楽しむ「農山漁村滞在型旅行」」農林水産省と定義しています。
つまり、農林水産業に従事する家庭に宿泊し、農山漁村の生活を体験することで日本の歴 史・文化、民俗や食について深く学びながら地域住民との交流を楽しむものを農泊といいます。
自分の地元のグリーンツーリズム・農泊について研究してみるのも面白いと思います。
農泊ポータルサイトで自分の地元がどのような農泊を行っているのか確認できます。
以下関連論文です。
- 北島愛二郎(2017)「インバウンドを見据えた農村振興の現状と課題 ─「農泊」で地域活性化へ─」『農村計画学会誌』 36:165-168
- 大學寛和・納口るり子(2021)「地域経営型農泊における事務局組織の持続性に関する研究」『農業経営研究』 58:p.39-44
- 高田晋史・山下良平(2021)「コロナ禍における農泊地域の現状と今後の展望―石川県能登町「春蘭の里」の事例から―」『農村計画学会誌』40:18-21
- 田村秀昭(2020):「農泊と観光 岡山県吉備中央町実践事例とともに」『安田女子大学紀要』 48:267-276
「農泊」の発祥の地の安心院(大分県宇佐市)の本です。学術書というよりは気軽に読める本です。
スポーツツーリズム
スポーツツーリズムも近年注目されています。
スポーツツーリズムならハワイのホノルルマラソンが有名ですね。
スポーツツーリズムの本なら、持続可能な観光と絡めて書かれているこちらの本がおすすめです。
また、あまり知られていないのですが、ドイツがスポーツツーリズムに力を入れています。
ドイツに興味のある方にはおすすめです。
スポーツが好きな学生さんは、自分の好きなスポーツや行ってみたい国がどんなスポーツツーリズムを行っているかを卒論にしてみても面白いと思います。
日本でもサイクリングとかに力を入れているところが結構あります。
たとえば、栃木県の那須町では「ツール・ド・とちぎ」「那須高原ロングライド」などのイベントを行っており、那須高原には、サイクリストを迎えるためのサイクルピットを備えたカフェやレストラン、ショップなどもあります。
また、サイクリングツアーでインバウンドに成功した地域として飛騨古川があげられます。
そちらの詳細は以下の本を参考にしてください。
観光地域づくり法人(DMO)
経済系や経営などマーケットに関心のある学生におすすめなのが観光地域づくり法人(DMO)です。
DMOは、地域にある観光資源を活用しながら地域と協同して観光地域作りを行う法人のこと。Destination Management Organization(デスティネーション・マネージメント・オーガニゼーション)の略語です。
観光庁によるとDMOの基礎的な役割を以下のように定義しています。
- 観光地域づくり法人を中心として観光地域づくりを行うことについての多様な関係者の合意形成
- 各種データ等の継続的な収集・分析、データに基づく明確なコンセプトに基づいた戦略(ブランディング)の策定、KPIの設定・PDCAサイク ルの確立
- 地域の魅力の向上に資する観光資源の磨き上げや域内交通を含む交通アクセスの整備、多言語表記等の受入環境の整備等の着地整備に関する地域の取組の推進
- 関係者が実施する観光関連事業と戦略の整合性に関する調整・仕組みづくり、プロモーション
DMOを設立することによって、大きく観光客を伸ばした地域もたくさんあります。
城崎温泉もその一つです。
DMOについては以下の本がおすすめです。
観光系の卒論のテーマの決め方のポイント4点
ここからは、観光系の卒論のテーマの決め方のポイントをざっくりと解説します。
自分の就職したい地域
なんといっても自分が就職したい地域、特に、Uターン就職の学生はこれを考えてみてください。
地域のために、このようなことを研究してきましたと面接のときに自信を持って語れると思います。
上記の地方創生・地域活性化・インバウンド・MaaSなどで自分が住んでいる地域で何をやっているかまず調べてみましょう。
就活は大学生活の集大成ですので、卒論も就活に役立つようなものを書くべきだと思います。
卒論を就職にどのように活用していくかについては以下のリンクを参考にしてください。
また、就活に関しては大学のキャリアセンターだけでなく、以下のような民間のものも上手に利用して乗り切りましょう。
すべて無料ですので、効率よく就活を行うために利用できるものを最大限に利用すべきです。
自分の興味のある地域
自分の興味のある地域について書いてもいいと思います。
なんといっても書いていて楽しいですから。
研究は「わくわくする」という知的好奇心が一番大切です(詳細は卒論のテーマが決まらないときに考えるべき3つのポイントで)。
つまり、旅行が趣味の方でしたら、旅行に行くだけでもわくわくしますので、趣味を兼ねた卒論を書くことが可能です。
日本でも海外でもOKですが、特に、夏休みなどに旅行に行く予定がありましたら、なおさらベターです。
そこで、インタビューしてきたり、資料を集めたり、いろいろできると思います。
そうすることによって、オリジナリティのあるいい卒論になります。
私のゼミ生の中にも夏に九州の温泉に遊びに行って、それをもとに湯布院・湯平温泉などの論文を書いた学生がいます。
いろいろインタビューもしてきていましたが、きちんと真摯にお願いすれば、喜んでインタビューに応じてくれます。
たとえ、インタビューできなかったとしても、現地に行って写真を撮ってくるだけでも大きく異なります。
インバウンドの成功事例】兵庫県の城崎温泉が成功した理由は私が実際に城崎温泉に行ったときのことをまとめたものですが、実際に行かなければわからないことがたくさんありました。
実際に現地に行ってみる、あるいは、行ったことのあるところをテーマにした卒論のほうが書きやすく、いい論文になります。
夏休みに遊びに行くついでに、現地の写真を撮ったり、インタビューをしてきたり、資料を集めてみたりしましょう。
ところで、夏休みや春休みにリゾートバイトというのを利用すれば、宿泊代・旅費・食費すべて無料で調査に行けます。
詳しくは英語が無料で学べるリゾートバイトを参考にしてください。
興味のある方は以下で調べてみましょう。
そのテーマに関する論文・資料が十分あるか
最後に、これが一番重要なのですが、そのテーマに関して論文・資料などが十分あるかというということです。
地方創生・地域活性化・インバウンドでご紹介しましたように、政府が出しているサイトで全国でどのようなことを行っているかある程度事例を調べることができます。
文献の探し方は以下の2つのリンクを参考にしてください。
もし、論文や資料がほとんど見つからないようでしたら、卒論を書くのは難しくなりますので他の地域を探すなりしたほうが無難です。
参考になる論文や資料があまりないからといって論文が書けないわけではないですが、とても苦労します。
文献の探し方は以下の2つのリンクを参考にしてください。
CiNiiの使い方については以下の動画を参考にしてください。
テーマを狭めて問いと答えを考える
参考にする書籍・論文が決まったらそこからテーマを狭めて、問いを考えていきます。
詳細は「卒論・論文のテーマは狭く絞る」をご覧ください。
また、動画もありますので、動画も参考にしてください。
ある程度テーマが決まったら、論文の骨子になる「問い」を作っていきましょう。
「問い」の例として以下のような例が考えられます。
- 「~は良いか悪いか?」
- 「~と~はどこがどのように違うのか?」
- 「どうしてか?」
その立てた問いに答えることが研究の目的、つまり卒論の目的です。
たとえば、上述しました「山奥の小さな旅館が連日外国人客で満室になる理由」をもとに論文を書くのでしたら、「湯平温泉「山城屋」がなぜインバウンドで成功したのだろうか」という問いを立てることでき、湯平温泉「山城屋」がなぜインバウンドで成功したのかその要因を探るということが本研究の目的になります。
問いを立てて、その問いの答えがざっくりと考えつくようでしたら、そのテーマで卒論を書ける可能性があります。
「問い」に関する詳しい解説は以下のリンクを参考にしてください。
また、こちらの動画でも解説しています。
なお、具体的な書き方に関しては、以下のリンクを参考にしてください。
おわりに
ここでは、観光・旅行系のおすすめの卒論テーマとして、 地方創生(地域活性化)・インバウンド ・ MaaSについて解説し、さらに、どのように観光系の卒論テーマを決めていくか、具体的な手順をお話しました。
簡単にまとめますと自分の就職したい地域や興味のある地域で関連した書籍・論文・資料を探し、そこから テーマを狭めて「問い」と「答え」を考えていきましょう。
また、実際に現地に行ってインタビューできるなら、とてもいい卒論になりますが、インタビューできなかったとしても、実際に現地に行くだけでも気付くことが多くあります。
旅行が趣味なら、趣味を兼ねた卒論を書くことも可能です。
ところで、リゾートバイトなどを利用すれば、現地への旅費・宿泊費・食費を浮かせることができます。
観光に興味にあるの大学生は、在学中にリゾートバイトを経験するといいと思います。
オンライン英会話(NativeCamp)が無料で利用し放題というリゾートバイトもあります。
リゾートバイトの詳細は大学生におすすめの英語が無料で学べるリゾートバイト!をご覧ください。
以下はリゾートバイトを検索できるサイトです。
大学生にお得な情報
英語に関する情報
留学に関する情報
スポーツに関する情報